自動車メンテナンス・整備の基本

初心者のクルマいじり 工具の使い方DIY入門

ソケットツール(ラチェットレンチとソケットコマ)とは


ソケットツールとは、

ラチェットハンドルと様々な種類とサイズがあるソケットコマからなるホルト&ナットの脱着に使用する工具です。

自動車のエンジンルームのように、スペースが限られた場所でボルト・ナットを緩めたり、締め付けたりする場面で大活躍する非常に使用頻度が高い工具のひとつです。



ラチェットハンドルはボルトやナットにソケットをかけたまま回転させることが可能です。
その回転部にはギヤ機構を持っています。
差し込み角の回転方向は切り替えレバー(ボタンやツマミのものもあります)で行い、左右両方向へ回転させることができます。

ラチェットハンドルを選ぶポイントは、
ギヤ数
ヘッドの形状
空転時のスムーズさ

などが挙げられます。
これは作業性と密接に関係してくる要の部分です。

狭い場所での作業では、ギヤ数の多い丸型ヘッドが便利。
ただし、耐久性や高いトルクが欲しい場合は若干不安があります。

ひとつ言えるとすれば、
ソケットコマはソコソコのものでいいのですが、
ラチェットハンドルだけは、国産の「KTC」やアメリカの「スナップオン」など、いいものを選ぶ方が賢い買い物かもしれません。



ソケットレンチのメリット・利点は、

メガネレンチのように1回転ごとに差し替える必要がなく、
グリップを往復させるだけで、早回しによるスピーディな作業が可能となる点にありますが、それだけでなく、
スパナやモンキーレンチが使いにくい箇所で、強く回したい場面ではソケットレンチが大変便利です。

また、エクステンションバーユニバーサルジョイントといったアクセサリーを組み合わせることによって、奥まった所にあるボルト&ナットや障害物を避けて角度を変えてトルクをかけたい時など、ソケットレンチの活躍の場はさらに広がります。

ソケットレンチには3/4、3/8、1/2などの種類がありますが、初心者の方が最初に使うなら3/8の国産メーカーのものからはじめるのがよいでしょう。

ラチェットレンチの種類と使い方


◆首ふりタイプのラチェットハンドル

ラチェットのヘッドが折れ曲がるタイプのハンドル。
角度をつけて回すことが可能なため、オフセットされた箇所、狭いスペースでのボルト&ナットの脱着の際に使用します。
ギヤ数は主に72歯と36歯があります。


◆ロングタイプのラチェットハンドル

3/8では全長が20cmほどの長さであるのに対して、25cmのロングタイプもあります。
狭いスペースでは使いづらいですが、グリップが長いので強いトルクでの締め付けが可能。
ただし、長いラチェットハンドルはオーバートルクになりやすいので注意が必要です。


◆ショートタイプのラチェットハンドル

全長10センチほどのラチェットハンドル。
狭い所のボルトを回すときに非常に便利です。


◆ギアレスラチェットハンドル

ラチェットの歯を送る構造にギヤを使わないラチェットハンドル。
ギヤを使用していないため、細かく送ることが可能です。


◆T型(ラチェット)ハンドル

ラチェットアダプターやエクステンションバーなどと組み合わせて使用します。
強いトルクをかけやすいこと、早回しが得意などの特徴があります。


◆スピンナーハンドル

スピンナーハンドルも色々な角度でボルトを回すことが可能です。
ソケットの真上から差し込むとソケットに対して垂直になり、そこから左右に折れ曲がります。
差し込み角が90度前後の時に力を入れやすく、この状態で使われることが多い工具です。
スピンナーハンドルは頑丈で、強いトルクに耐えてくれます。

ラチェットレンチのコマ




ソケットコマは、8mmから22mmまでのものがあればいいでしょう。
車のメンテにはこのサイズ全てを使うことになります。

ソケットコマはバラで揃えるとかなりの金額になってしまいますので、セット購入がおススメです。

次に、6ポイントか、12ポイントか、という点ですが、
初心者の方なら12ポイントがいいでしょう。
T字ハンドルやスピンナーハンドルと組み合わせた時、
30度ごとにかけ直しが可能なので作業性の面でメリットが高いと言えます。
(6ポイントは60度)

◆12角ソケット

ソケットコマの内側の形状には6角と12角があります。
12角の方がボルトやナットに対して差し込みやすいため作業性に優れていると言えますが、6角よりもボルトを舐めやすいという欠点もあります。




◆6角ソケット

スパナやモンキーとは違って、ソケットレンチで使用されるソケットはボックスになっていて、ボルトを完全に包み込んで回すことが可能で、舐めてしまうことが少ないことがメリットになります。




◆ソケットのタイプの種類
ソケットコマのバリエーションとして、標準タイプのソケットとディープソケットがあります。
少し奥まったボルトを回すために、ディープタイプはスタンダードソケットより2倍以上長くなっています。

ラチェットハンドルの使い方


回したいボルトの周辺に障害物がない場合、ラチェットハンドルとソケットコマの組み合わせで使用することが可能です。

ラチェットハンドルの差し込み角にコマをセット、ギヤの回転方向を確認してカチッカチッとグリップ部を小刻みに往復させることでボルトを回します。

ラチェットハンドルにコマをセットしただけではとどかないなどの理由で使用できない場合も多々ありますので、その場合はソケットツールのアダプターが必要になります。


場合によって、ハンドルからまっすぐにソケットを入れることができない箇所では、ユニバーサルジョイントを使用します。
ユニバーサルジョイントは、U字の溝を掘った差込角を2個つなげた形状をしており、これによって前後左右に回転方向を変えることができます。
ハンドルの位置とソケットの位置がオフセットする場合に有効です。

強く締め付けられていて回せない時は、スピンナーハンドルLハンドルが便利です。


また、奥深い箇所やボルトの周辺に障害物がある場合は、エクステンションバー(延長棒)を装着して使います。
エクステンションを装着すると若干使いづらくなりますが、ハンドルの根本とエクステンションをしっかり持って保持しながら、ハンドルの回転中心がグラグラしないように回すことでボルトの脱着が可能になります。

エクステンションの長さにもバリエーションがあり、長さの異なるエクステンションバーを組み合わせれば、ハンドルの位置とソケットの位置を調整することができ、奥まって他の工具では到底回せない位置にあるボルトを障害物を避けながらハンドルをまわすことが可能になります。

自動車のドレスアップ 自分で車を弄るなら(PR)

動画でわかる!愛車のメンテナンス!
愛車を自分の手でメンテをするのは楽しいことです。
しかし、自分で作業をする事は、愛車を自分の手で傷つけてしまう可能性があるのも事実。
そんな不安がDIYにチャレンジすることを躊躇する原因になっている方も多いのではないでしょうか。
そのような方のためにこのDVDは作られました。
まずは「愛車の構造を知る」という初めの一歩を踏みだしてみましょう。
構造を知ると「できるかも!?」という勇気が沸くはずです。
車を自分でメンテナンスし、ドレスアップすることで、さらに愛着が増して、自動車と向き合うことができるようになります。
車種別に作業の様子を実際に見ることができます。