自動車メンテナンス・整備の基本

初心者のクルマいじり 工具の使い方DIY入門

スパークプラグの取り外し方

一般的にスパークプラグの寿命は2万キロ~3万キロと言われています。
ただ、最近は電極にイリジウムやプラチナを使ったプラグも登場しており、高級車を中心に純正装備されているケースもあり、この寿命は10万キロ。

スパークプラグもメンテナンスフリーの時代が来ているようです。

とはいえ、スパークプラグの点検・交換は昔から自動車DIYの定番メニューのひとつですが、
最近のクルマは(特に長寿命プラグの装着車)、エンジンがカバーで覆われていたり、複雑にこみ入っていてプラグにアクセスするのが難しいことも多いかもしれません。

愛車の自分でやるDIY派なら、ぜひスパークプラグの点検・交換もマスターしたいものです。



スパークプラグの取り外しに必要な工具は、「プラグレンチ」。
以前は車載工具の中に必ず入っていたものですが、最近の車には入っていないことも多くなっています。
ホームセンターなどに置いてありますので、愛車に合ったサイズを一つ持っていると便利です。

スパークプラグのサイズは、一般的に16mmか、22mmです。
プラグレンチはこのネジ部分の六角二面幅を確かめてから購入するようにします。

プラグレンチの種類は、主に、ソケットタイプと一体型になったタイプがあります。
一体型のタイプは狭い所では使いにくい場合があったり、
また、ソケットタイプは抜けてソケットがプラグと一緒に残ってしまうこともあり、どちらも一長一短。
自分の車の作業環境を確認して選ぶようにします。



新しい車種などでは、スパークプラグも長寿命化が進んでいますが、いくら交換時期が10万キロだったとしてもそれまで一度も点検しないというのはよくありません。
運が悪いとプラグが固着して先端がもげてしまうことがあります。
この場合、シリンダーヘッドに残った部分を取り除くためにヘッドのオーバーホールが必要になることがあり、難易度が高くてDIYでは不可能な場合が多く、費用も大きなものになってしまいます。
スパークプラグの点検は年に最低でも1回は行うようにしましょう。
白金プラグであっても、取り外して、見てみることに大きな意味があります。


スパークプラグの取り外し方

1. スパークプラグを外す前に、エアガンかダストブロー(殺虫剤のようなエアゾール式のほこり飛ばし)で周りのほこりやゴミを取り除いておきます。

2.プラグキャップの頭(根本)を指でつまんで引っ張ってみる。
  外れない場合は、プラグキャップの頭をグリグリ回してから引っ張ってみます。
  この時、コード部分は絶対に引っ張らないようにします。
  内部で断線する可能性があるためです。
  どうしても抜けなくて、プライヤーを使う場合でも、プラグキャップに布かウェスなどをあてて、つまむ  程度の力を加えて引き抜くようにします。

3.プラグキャップが外れたら、プラグレンチを中に差し込みます。
  プラグ本体の取り外しは、基本的に通常のボルトを外す時と同じ要領で外れます。
  プラグに真っ直ぐレンチを差し込んで、ナメないようにゆっくり左に回します。

4.外したスパークプラグは、どの気筒についていたものかがわかるように並べて置いておきます。

スパークプラグ 点検と交換の目安は

スパークプラグの点検では、まず焼け具合を見ます。
プラグ自体がひどく焼けている時、またはくすぶりがみられる場合や、各気筒での焼けのバラツキが見られる場合などは、エンジン内部でのトラブルが疑われます。

スパークプラグの交換時期の見極め方の目安は、中心電極の状態をチェックします。
新品と比べながらチェックするのが一番ですが、電極部分が減っているようにみえたり、丸まっているように見える場合は、消耗していると判断できます。
消耗した状態で放置してしまうと、燃費を悪化させたり、アイドリングが不安定になったり、アクセルを踏んでも加速不良を起こすなどの症状が現れます。
現にこのような不具合があるようなら、スパークプラグの点検で問題解決の糸口がみつかるかもしれません。

劣化しているかどうかわからない場合は、走行距離で判断してもよいでしょう。
走行距離での交換時期は、通常2~3万キロ。
最近の新しい車でイリジウムや白金タイプなら10万キロになります。

スパークプラグは種類があるので、必ず指定された型番のものを購入します。


スパークプラグ 電極部のそうじの仕方

スパークプラグの掃除は、ワイヤーブラシで汚れをやさしくかき出します。
イリジウムや白金タイプのプラグの場合は電極部分が細いため、力のいれ過ぎに注意が必要です。

汚れが大体とれたら、キャブクリーナーやスプレー式の燃焼室クリーナーなどを使って奥の方のカーボンを落とします。

スパークプラグの取付け

掃除が終わってきれいになったプラグに、5-56などの潤滑剤を軽く吹いてから装着するようにします。
次回の点検時での固着防止になり、装着する時もスムーズにねじ込むことができます。

スパークプラグの取り付け方は、

斜めにねじ込んでしまうことを避けるために、最初からレンチのハンドルをグイグイまわすのではなく、ある程度動かなくなるまで、プラグレンチの軸部分をクルクルと手で回したり、緩めたりしながら徐々にねじ込みます。

その後、本締めしますが、締め付け具合が最大のポイントとなります。
プラグの座面が設置した位置から見て、

新品なら1/2~2/3回転まで(180~240度)
再装着なら1/12回転(約30度)

通常はこの方法で大丈夫ですが、こだわるなら、電極をインテーク側に向けるため、印を付けるなどして4本のベストな方向を探りながら装着する方もいます。

プラグを取り付けたらプラグキャップをカチンという手ごたえがあるまでしっかり押さえこみます。

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